2回にわけた記事の後編です。ごめんなさい3回になりそうです。
「もっといっぱい保護して、もっと里親にバンバン引き渡せば、処分なんてされる猫がどんどん減るんじゃない?」と僕。
「少し難しい問題があってね」と保護猫ボランティアをしている妻。
こんな感じのところからスタートです。
能天気に「どんどん保護猫を里親に引き渡すんだ、スピードをあげて、どんどん野良猫を減らすんだ」と考えた僕の見過ごしていた点とは…

これを書いているのが27日の夜なんですが「もう寒い、とんでもなく寒い」日なわけです。野良の猫たち、彼らは「あったかい場所」を探す天才なんでしょうけど、どこでどうやって寝てるのかって想像するとですね…
「はよ、里親探して、屋内で寝る生活させてあげたらいいのに」
と、僕は思ったわけです。でも実際に妻の話を聞くとですね、そんな能天気な動機じゃやっていけない理由も確かにありました。

猫を引き渡す側 → 猫にとって100%幸せになれる環境へ渡したい
猫をもらう側 → もちろん猫を家族に迎えて幸せにしたい
これだけのことなんですけど、「両者のギャップ」これが一番の原因です。
そして両者共に悪意はありません。むしろ善意だけで成り立つ関係ですが、その分ギャップがあるような気がします。
猫を引き渡す側(ボランティアさん、妻もこれ)は、「絶対幸せになって欲しい」ので、100%の準備を求めます。この100%というのがやっかいで、引き渡す側によって、条件が異なったりします。かなりハードルが高くなってしまうわけです。
猫をもらう側は、猫を飼うにあたっての間違いは知っていますが、100%の正解は認識していないことが多いです。時々、本当に知らなすぎるパターンもあったりするようですが…、僕も実際に彼ら(猫)を迎えるまで、知らないことだらけでした。
しかも、この場合の正解は『引き渡す側』が定義していることもありますから、更に難易度があがるような気がします。
育児で置き換えてみるとわかりやすいかも知れません。
我が家もそうですが、実際に子供を育ててみるまでわからないことだらけでした。
「家の中に角とか尖った場所があると危ない」これは理解していました。
なので、柱だったりテーブルだったりはベビーガード的なもので覆ったのですが、息子は窓枠にダイブしてオデコをスパっと切りました。「ああ、窓枠も100%覆わないといけないか」となりましたが、ある程度年齢がいった幼児は、自分でそのベビーガード的なものを外すことを覚えました。
こなると不毛な親子のイタチごっこが続きます。ベビーガードを外しまくる子供と、それを再びつけまくる親。
段々と面倒になってきて、外したままになりました。

「正しいことは何か?」と言われると、もちろん『家の中から尖った場所を100%なくすこと』にはまちがいありません。
しかし『それが出来ますか?』と言われると難しいです。養生されまくったような部屋に暮らすわけにもいかないし…となるわけです。
多分、善意の中に生まれるギャップも『理想と現実』が正体だったりしそうです。
今一緒に暮らしてくれている妻も結婚相手には『理想』があったと思います。怖くて聞いたこともないですが。
しかし、その理想に対して『まあ、この辺でいいか』と、ある程度のラインで妥協して、僕と婚姻関係を結んでくれていると思います。
そのある程度のラインのギャップ、これが難しさの正体だと言って良いでしょう。

そうすると必然的にですね、保護猫を引き渡すハードルもあがっちゃうわけです。
「えーと家族構成は?」
「日中は家にどなたかがいる環境ですか?」
「逃走防止の手段はなにかできますか?」
「失礼ですけど、収入は? お勤め先は?」
「小さなお子さんがいたりしますか?」
何も知らない方だったりすると、いきなり「ただ猫をもらいたいだけなのに、なんでここまで聞かれなきゃいけないんだ?」ってなるのも仕方ない気がします。
場合によっては写真を定期送信して「元気にやってるよ」を報告しなくちゃならないケースもあるようです。
「だったら、お金でペットショップで買っちゃえば、なんも言われないしさー、そっちで買うよ」となる人が出てくるのも必然でしょう。

本当は多数の猫を里親に引き合わせて、世の中の保護猫をハッピーな環境に持っていきたいだけなのに、色々な心配とかチェックすることを考えると、サンタクロースみたいなマネは出来ないってことなんですね。
「長く乗ってたバイクなんです、大事にしてください」なんて言いながら誰かに売却するのとはわけがちがいます。この場合「譲渡されるのは命」です。しかも保護猫活動をされる方々は、見返りもない中、睡眠時間を削って育てた命です。
なので…
猫を引き渡す側 → 100%間違いない状況でないとダメ
となるのは当然でしょうし、
猫をもらう側 → もちろんそう思ってるけど、完璧の定義がわからん。
となりがちな傾向も理解できます。実際僕もそうでした。
じゃあ、どうなったら? これに対してのきれいな答えは出ていないんですが…
ああ、長くなってしまいました。3回に分けさせてください。