猫に小判だの、猫の手も借りたいだの、猫に関しての慣用句はまあロクなもんじゃないのが多かったりしますが、今回は猫に濡れ衣を着せられている、正確には一部着せられているのではないか、そんな記事です。
個人的統計
えーとですね、かなり個人的な統計というか思いこみで申し上げますが「既婚女性のイライラポイント」栄えある第一位を長年死守しているもの、それは
「夫が色々やりっぱなし、出しっぱなしである」
これなんじゃないでしょうか。個人的経験談から申し上げればこれは…
- 住みたい街ランキングの「吉祥寺」
- 子供の嫌いな食べ物ランキングの「ピーマン」
それくらいの、キング・オブ・イライラポイントではないかと思います。
まあ、否定はしませんよ。確かにそうなんですけど、要はですね「それを当人が重要と思っているかどうか」だったりするかも知れません。「片づけることが重要じゃないだって!?」という妻からの怒号が聞こえそうなのでこれ以上は申し上げませんが、事実だってことを小声でささやきたいと思います。
王道「靴下脱ぎっぱなし」
結婚する前の同棲生活(なんて甘美な響きなのでしょう)から、ちょいちょい言われておりましたのがこちらです。
「ねえ、そんなところに靴下脱ぎっぱなしにして、なんで気にならないの?」
から始まり
「いつ気づくのかずーーっと放置してたんだけど、3日目だよ! なんで? 見えないの?」
と噴火するまでの過程、それを身を持って何度も経験して参りました。もちろん僕が経験したということは妻も同じ数だけ経験を積み重ねているのです。
ですので、「あ、また靴下がー」的な妻の発言を聞くと、パブロフの夫たるものとしては「あ、ごめん、すぐ片づける!」と脊髄反射するようになっております。
そして事件発生
まあ、今までの話は軽い前提みたいなモノだとご理解ください。その上でですね、奇妙な出来事が続きます。言ってみればホラーです。
「ああ、また靴下がこんなところに!」とイライラしている妻の声を聞くペースがなんだか増えているような気がしてきたのです。
確かにそういった妻の怒号を聞くのは日課のようなものでした。それは否定しません。でもですよ、日課であればあるほど非日常にも敏感になります。
だらしない夫としての非日常、それはつまり「お、今日はちゃんと洗濯カゴに入れたぞ」という記憶に他なりません。確かに僕は、今日に限っては、
脱いだ靴下をちゃんと洗濯カゴにいれたのに! なぜ?
こんな細かい違和感がつづきました。
犯人判明
ある日ですね、いつものように深夜の「オレだけタイム」を満喫しておりました。PCに向かって非日常の中を探し求めてマウスを動かしていたときのことです。
「なんだかバタンバタン音がすごいなあ」とは思ってはいました。「どうせまた、猫たちがケンカでもしてるんだろう」そんな軽い気持ちでスルーしようとした時ですね、僕はそれを見つけてしまったのです。
「(洗濯カゴに放り込んだはずの)僕の靴下と格闘している黒猫」です。
噛みついてみたり、前足をひっかけて靴下の繊維の限界まで引き延ばしてみたりしておりますが、かなりの興奮状態です。バタバタと動く手足とは裏腹に恍惚の表情です。
なんだこれ? 僕の靴下ってマタタビみたいな効果でもあんのか?
とも思いましたが、そこで気づいたのが
「こいつか! 僕の靴下をわざわざ洗濯カゴから取り出してきたやつは!」
ということでしたw そうなんです。どう考えても僕がしっかりと放りこんだ靴下はこうやって黒猫の手で(正確には彼は咥えて持ってくるようですねw)、リビングの真ん中まで移動させられていたのです。
僕は思いました「この黒猫のせいで、僕は何度も身に覚えのないことで妻に謝り続けてきたのか…、何も疑わず、イヤミを言われ続けてきたのか…」そして、2秒後にはこう思いました。
「まあ、いいか」
そうです。簡単な「あ、ごめんごめん」という7音程度のやりとりが発生するくらいならそれでもいいかなと思ったりしていたのです。
エピローグ
まあ、大した話じゃないなと思っていたのですっかりしばらくそんな事を忘れていたのですが、ふと思い出した折に妻に言ってみました。
「知ってる? 黒猫さ、なぜか僕の靴下の匂い好きみたいで、夜中に靴下相手に格闘してるんだよ、そんな臭うのかな? アレわざわざ洗濯カゴから持ってきてるんじゃないかなあ」
妻からは驚愕の回答です。
「知ってた」
え? と思いました。どうやら妻はいくつかの「靴下脱ぎっぱなし事件の真犯人が黒猫」だということまで気づいていたらしいのです。実際に黒猫が洗濯カゴの上にひょいと飛び乗り、中から僕の靴下をくわえて持ち運ぶ姿まで確認済みだったらしいのです。
「でもね、黒猫が持っていたにせよ、なんにせよ、誰かが片づける必要があるじゃない? リビングの真ん中に落ちてる脱いだ後の靴下って、そんなに触りたくなるモノじゃないでしょ? 僕君に『靴下が』って言うと『あ、ごめんごめん』ってすぐに片づけてくれるから、まあそれでいいやって思ってたのよ」
とのことです。こりゃ参った、と思いました。
『全部』とは言いませんが、一部は確実に黒猫の仕業です。そして、僕はその黒猫のせいで妻への謝罪を日課にするという屈辱を味わっていたのです。なんという酷いことをする黒猫でしょう。これは「ちゅーるしばらく抜き」などの刑罰が必要です。
……なんて書きましたが、やっぱりですね
「まあ、いいか、一部黒猫だけど、ほとんど自分だし」
ってすんなり自分で納得出来ましたw
また同時にですね、結婚してそこそこの年月が経ちましたが、妻にはやっぱり勝てないなあと痛感しました。
そんな記事ですw
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