人間でも猫でも同じだと思うのですが、他者とのトラブルは切実な問題だったりします。人間で言えば、代表的なものは夫婦関係でしょう。
個人的な感想ですが「なんとなく上下関係」があったほうがうまくいくケースが多いかな、と思ったりしています。大きな声では申し上げられないのですが、もちろん我が家の場合、僕が「下」です。
我が家の家族である、アメショーと黒猫。あまり仲良さそうではないなあ、とは思っているのですが、はっきりしたことは僕にもわかりません。
- 夜中になると壮絶なバトルを始めることもある。
- 基本的に一緒にはあまりにいない。
- ただし、寄り添って寝ているときもあったりする。
保護猫活動5年以上の妻からしても「仲が悪いのか、本当は良いのかわからないなあ」とのことです。
事件発生
サラリーマンである僕自身は現在在宅勤務です。家の中で一番静かな部屋ってことで寝室を仕事部屋に流用しているのですが、すぐ横にあるベットに違和感を感じました。
「なんだこれ?」
それは血痕でした。寝ているときに鼻血でも出してしまったかのような、血痕が白いシーツにポチポチと残っています。冷静に観察してみると、それほど大量の出血ではないようですが、寝がえりでもうったのか、割と広範囲に汚れています。会社には無断で業務を中断し、すぐに妻を呼んでみました。
「あーあ、またやったかあ」と妻は言います。
ということは以前にもあったのでしょうか? 妻はその血痕のすぐ傍でスフィンクスような体制のまま眠りについているアメショーを持ち上げます。
「ほらここ」
彼女が指さしたのは、アメショーの後ろ脚、踵部分でした。
アメショーのケガ
眠たいところを突然もちあげられたアメショーは不機嫌そうでしたが、ケガの状態をチェックしてみます。体毛が血で固まっていましたのですぐに箇所の特定は可能でした。
「なんだこれ?」と思ったのですが思い当たる節はひとつしかありません、深夜などに繰り広げられる黒猫とのバトルです。
「前も同じ場所で出血したんだよなあ」と妻は言います。原因はやはり黒猫と繰り広げられるバトルのようです。ちょっとその時のツイートを貼っておきます。
アメショーが寝ていた場所に血痕があり、調べてみると足から出血している模様。
— 猫と音楽 (@catandmusictwit) May 7, 2020
飼い猫同士の喧嘩で怪我した様子。
激しい戦いの時は引き離すようにしているのですが、24時間の監視は難しい為、少しの間引き離して生活させるか悩み中。
困ったなあ。 pic.twitter.com/t8dWEVKDFQ
この通りなのですが正直困りました。
人間が気づく状況であれば、「おいおいエキサイトし過ぎだぞ」と引き離すことも可能ですが、夜間であれば感知のしようがありません。
ケンカするのは良いのですが、ケガにつながるようでは何かうつ手が必要です。困った困った。
きっかけはアメショー
しかしですね、「黒猫よ、アメショーに怪我させるなんてひどいじゃないか!」 とは言い切れない側面も実はあります。少なくとも僕が現場を確認した限りでは…
- くつろいでいる黒猫にそっと近づくアメショー
- なぜかくんくんと黒猫のお尻の匂いを嗅ぎだす。
- 黒猫は目を覚まして嫌がる。そしてその場を離れようとする。
- 逃げる黒猫にアメショーがパンチ。
- 黒猫が応戦。
例外もありますが、ほとんどがこのパターンです。で、結果はうやむやに終わるときもあれば、ウェイト差(圧倒的に黒猫の方がわがままボディ)により、アメショーが敗走することもあります。少なくとも黒猫が負けるパターンはほぼありません。
つまり、アメショーは毎回毎回、体格差で不利な勝負を挑み、疲弊し、敗走していることになります。これが『諦めない』アメリカンスピリットか何かか? とも思いましたがガッツは認めても、怪我をされたりしたらたまったものではありません。
家族会議開催
さっそくその日の業務終了後、夕食の場でこれからについての家族会議が開催されました。議題はもちろん「黒猫とアメショーがケンカせず、もしくはケンカしたとしても怪我をせずに暮らしていけるか」です。
妻「前回と同じ場所から出血しているといっても、その前回は2年以上前。それ以降は小学生のプロレスみたいなものだったから、再度発生した場合には片方ずつ夜間はケージに入れて寝かせよう」
息子「それは可哀そうだ、ケージに入れるとアメショーちゃんは血便を出すんでしょ? すっごいイヤなんだよ、あとプロレスってなに? 教室で戦いしてると先生たちに怒られるからやらないよ」
僕「なんとか折合いつけてくれないかなあ」
息子「そうだよ、話あえばわかってくれるよ」
妻「猫にどうやって話あわせるのよ」
はい、ご覧の通り会議は踊るされど…的な状況です。まとまるわけがありません。
僕の考える要点としては
- これからも頻繁に起こりえる事態なのか?
- たまたまじゃれあっていて、たまたま発生してしまった事故なのかどうか?
の2点です。①が正解なのであれば、これはもう妻の提案してくれた『片方ケージ作戦』以外にないことになります。
戦いを挑む理由
色んなサイトで妻と調べてみたのですが、比較的成猫の雄同士はケンカをおっぱじめることも多いようです。相性の問題もあるにはあるようですが、根本的には『縄張り意識』からくるバトルのケースが多いようですね。
二匹ともヘソ天で転がっている様子を見ていると『少しも野生本能なんてないんじゃないのか?』と思っていましたが、よりによって、こんなところで『野生』も『本能』も残っている状況に少し腹がたちました。
また、各種サイトを参考にすると『先住猫が後から来た猫に、立場を教えるために教育的に戦闘を行う』というようなことも書いてありました。
そうですね、あれです。「おい新入生、この学校でのしきたり教えてやるから、後で体育館の裏こいや」的な中学生のような思考だと考えれば良いかも知れません。アメショーよ、大人になれや…
暫定的結論(飼い猫たちのケンカへの対処)
さて、じゃあどうするか…、これについても猫について解説してくれているサイトの手法を参考とさせていただくことに決定しました。
「先住猫のプライドを満たしてあげる」
これです。
黒猫より2年ほど先に我が家に来てくれたアメショーですが、確かに『二匹を平等に扱う不平等感』から、ケンカをしかけているのかも知れないなあと思ったわけです。差をつけてあげないと、彼のプライドは満たされないのかも知れない説を採用です。
子供以外の家族(つまり僕と妻)にお腹を撫でられるのが大好きな黒猫が、進路にあらわれて突然ばたんと倒れます。『頼む、腹を撫でてくれ』のサインです。ソファの上からアメショーが「全然気にしてないから」といった視線でその様子を眺めています。
そんな時も、まずはアメショーに近づき撫でてやることにしました。
「うんうん、経歴で言えばお兄さんなんだからオマエから撫でるからな」と話しかけ、少し迷惑そうなアメショーを撫でくりまわします。アメショーは抵抗せずされるがままとなっていたり、僕のことだけ噛みついたりしますが、とにかく「差をつけてあげる」方針でしばらく過ごすことにしました。
それから2日ほど経っていますが、今のところアメショーから仕掛けるバトルには至っておりません。彼のプライドを満たすことが出来たのか? 満たされたからケンカにならないのか? それを評価するにはあまりにも短期間ですが、効果は表れているように思えます。
「面倒くさい上司みたいなプライドだなあ、メールの宛先の順番で『なんで俺が社歴の短いあいつより後なんだよ』って注意されたことあるんだけど、そんなイメージだなあ」と、思ったことを言ってみました。
「人間がそれやると腹立つだけだけどさ、そういうところも含めて猫って可愛いよねえ、なーに細かいこと気にしてんのよって言いたくなるじゃない?」と妻。
彼女に訊いた僕が間違っていたようです。
そんな記事です。
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