猫と音楽

我が家のアメショーと黒猫、二匹との生活や音楽についてのブログです

猫への愛のカタチ

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好みが異なることによって、色んなトラブルが発生するのは当然です。ですが、この年齢になって思うのは

「好みは同じだけど、やり方が違う」

この場合のほうが、大きな争いになりやすいなあ、ということです。

 

好き嫌いが全く合わない相手であれば、お互い完全にシャットアウトすれば良いのですが、なまじ同じゴールを見ているだけに、トラブルの根は深くなることが多そうです。

猫への愛情についても同様です。猫を好きなんだけど、やり方がちがう、接し方がちがう。また、当の猫たちはどう思っているんでしょうか….

 

 

例えば猫への愛

猫たちが無事に寿命を迎えた後、残された我々飼い主の行動にも色々ありそうです。

もちろん、このまま化け猫になってでも一緒に居て欲しいという思いはありますが、自然の摂理には逆らえません。多分僕よりも先に猫たちは虹の橋をわたるでしょう。

 

例えば「愛猫の思い出をはく製に」される方々がいらっしゃるみたいです。その為の業者さんのサイトもありました。

そういう選択肢に想像もつかなかった妻は顔をしかめていました。僕は『なるほど、そういう愛情もあるのかな』と、割と理解をしました。

 

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はく製にするつもりはありませんが、気持ちはわかる気も…

 

「でも、何か抵抗あるなあ」と妻。

彼女の気持ちもわからなくはありませんが、『はく製にしたいがためにハンティングする話』とは全く別ですし、表現の仕方は違えど、ずっと一緒にいた猫の思い出と暮らしたいという気持ちはよくわかります。

表現の仕方がちがうけれど、そこには猫たちへの愛があると思ったのです。

 

ある多頭崩壊のケース

妻が保護猫ボランティアみたいな活動をしているのは、以前申し上げたことがあると思うのですが、今現在、彼女とその友人たちでとりかかっている案件があります。

 

多頭崩壊のケースです。

 

場所は賃貸の戸建て。とても古くてこじんまりした住居。そこに暮らしているのはご年配の女性ひとりです。ご主人とは古くに別れ、お子様は「どこかで無事にやっているはず」という状況のようです。よく言えば大らかな方ですね。

お話を伺う度に、子供の性別が変わるとのことなので、お子さんが本当に存在しているのか、それとも複数存在しているのか、詳しいことは不明とのことでした。

 

その狭い住居の中に、なんと9匹の猫たちがいます。

良くあるお話だとは思うのですが、

「かわいい野良猫を拾って来たら、子供産んだので」今の状況となったようです。

 

避妊も去勢もしていないので、3度の出産があったとのことです。このままでは更に増え続けるだけですし、今現在ももしかしたら母猫のお腹には子供がいるかも知れない、そんな状況で、妻とその周囲のボランティアさんが行動することになりました。

 

猫への愛はある

ここから先も妻から聞いたお話です。

そのお宅の床は湿った感じがしています。部屋の片隅には発泡酒の空き缶が転がっています。また、絶えずそうしていないといけないかのように、その女性は常に火のついたタバコを咥えているため、その住宅の中は常にモヤがかかっています。

 

そんな中で9匹の猫たちが鳴いたり、隅の方で「ただの段ボールに」排泄したりしている為、妻と彼女のグループのメンバーはまず「タバコの煙が充満した中では猫に良くない」ことを伝えることから始めました。

 

「私たち人間でもけっこう辛いです、猫にもよくないはずです」

 

驚くことに、その女性は窓を開け、タバコの火を消しました。そして窓の外に半身を乗り出すようにして新しいタバコに火をつけます。「そうか、猫たちはこの煙イヤなんだね」と、このタイミングで気づいたようでした。

 

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汚す専門でありながら清潔な環境を必要とする、ワガママな存在w

話し合いを始めます。

ひとつひとつ、今の状況が決して良い環境ではないことを彼女に説明します。

 

『猫たちには清潔な環境が必要であること』『外と中を自由に行き来できる状態は危険・病気などの観点からも、良くないこと』

 

まずは、そういった環境の話からです。

そして、現状を鑑みると9匹の猫たちをこの女性が室内で面等を見れる状態ではない為、里親を探すことなどを提案します。

 

当初話し合いは順調に進みました。

その女性も知らなかっただけ。ただ可愛くてエサをあげていたら、家の中にどんどん猫が増えてしまった。本当に猫の事は好き。どの子も自分の家に居て欲しいけれど、もっと幸せになれる為なら、新しい飼い主を探すことは仕方がない。涙さえ浮かべながら、その女性は言っていたそうです。

つまり、猫を好きな一人の女性だったのです。

 

猫への避妊手術について

しかし、話し合いは全てが順調というわけではありませんでした、決裂してしまった部分もあります。

避妊去勢

に関わる部分には、頑として納得していただけないとのことでした。

 

「交尾することは自然の摂理。それを物理的にできなくするのは、猫が可哀そうだ。そんなことに加担出来ない。猫たちだって自分の子孫を増やしたいはずだ。」

 

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二匹とも去勢済です

 

どう説得しても、その点だけは納得していただけないそうです。今ここにいる母猫が既に妊娠しているのかも知れない、出産を待って避妊手術が必要である、という妻とボランティアさんの意見は、彼女には届きません。ここでボランティアさんが言います。

 

「私だって、子供が好きです。経済的な問題が解決するなら10人だって子供が欲しいです。でも、子育てを私ひとりで10人は出来ないだろうし、育てるお金だって多分たりない」

「人間はコントロールできますけど、猫たちは出来ないんです」

 

少しだけいつもより大きな声で説明する彼女を見て、びっくりしたと妻は言っていました。その声は、家主さんに少しだけ届いたのでしょうか。渋々と母猫に避妊手術をさせることを同意してもらったそうです。

 

猫への愛のカタチ

自分のことをコントロールするのが苦手な人だったのだと思う。でも猫のことはきっと本当に好きで、どうやってその好きを表したらいいのかわからないんじゃないかなあ。

 

これは妻の弁です。

 

僕自身はそこに愛情があれば、まだ救いがあるのでは? と思っています。間違っていたなら治せば良いし、同じ失敗を繰り返さなければよいのではないかと思ったのです。

聞く耳をもってもらえるかどうかは確かに問題ですが、いつか、届くこともあるのでは? 

 

妻は苦笑いをしながら話をきいてくれました。この後、そんなきれいごとではうまくいかないケースを聞いたりしたのですが、それはまた別のお話です。

 

「ホントに何考えてんだろう、喋って欲しいし、こっちが思っていることを正確に伝えられたらいいのに…」

 

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アメショーは大体理解してると思うんですが、細かいニュアンスまで伝えたいなあ。

 

妻は、アメショーを持ち上げて膝の上に置きました。持ち上げられることも、膝の上に乗せられることも好きではないアメショーは、そのまま大きくジャンプして、ソファの方へと逃亡しました。寝ていた黒猫の頭をつつきだします。ああ、またしても今晩の戦いが始まってしまいそうです。

 

「ちょっと、なんでそうなるのよ」と彼らの仲裁をしながら思いました。細かな意思の疎通まで出来るのであれば、彼らは何を思って、何を考えているのでしょう。

猫にとって最適な愛のカタチを、僕たちは選べているのでしょうか?

 

そんな記事です。

 

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