猫と音楽

我が家のアメショーと黒猫、二匹との生活や音楽についてのブログです

猫にとっての過度・適度

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腹八文目とか、適材適所とか、要するに「適切な量があるんだ」なんてことは大昔から言われておりますが、そうなるとですね

 

「適切ってどれくらいだ?」ってのが悩みどころになったりします。

 

人間にとっての適切もなかなか難しいくらいですので、猫にとってのそれも相当難しいのは当然です。そもそも人間とは種別がちがいますし、個体差だってあります。しかも特に『何考えて生きてるんだ?』が全くわからない生き物が猫です。そりゃ難しいのも当然です。

 

今回は猫にとっての適度、それを誤って過度になってしまった場合のケースについて書いてみます。いつも通り全て実体験です。

 

ストレスが過度だった場合(アメショー)

当時、自家用車を所持していなかった我が家では、移動は全て公共交通機関となっていました。アメショー初の健康診断か何かのタイミングでした。二駅離れたペットクリニックまで、電車で行くことになったのです。

 

いやがる彼を移動用キャリーに格納し(色々な作戦を駆使した覚えがあります)、やっとのことで電車に乗りました。

徒歩で駅まで向かっている間中「ミャオーミャオー」と雄叫びのような声あげつづけていた彼がおとなしくなっています。キャリーを包んでいた布をめくると、俯いた姿勢でじっとしているところが見えました。

 

「ほう、さすがに諦めたのかな?」

なんて思っていました。

 

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あの時は辛かった…

 

目的の駅に到着し、獣医さんの前でキャリーを開けます。飛び出してくるわけでもなく、やっぱり俯いた姿勢でじっとしていす。あれ? と思って彼をもちあげると、いつもと違った様子に驚きました。

 

口は半開き、目はうつろ、よだれがダラーっと出ていて、玉のように口のまわりに張り付いています。「なんだ? 何がどうした?」と慌てる妻と僕に獣医さんが教えてくれます。

 

「これですね、すっごいストレスを受けたときの反応なんですよ。鼓動も早いでしょ?」

アメショーの胸に手をあててみると、鼓動というよりは痙攣のような速さでプルプルと震えています。

「電車がダメなのかなあ、まあ定期健診だから仕方ないんだけど、この状態はあんまり良い状態じゃないですねえ、他の交通手段も考えてみて下さい」

とのことでした。

 

あまりにも通常時とは異なる状態だったアメショーを、もう一度電車に乗せるわけにはいきません。帰路は迷わずタクシーを選択しました。

結局のところ、こういった彼の特性や、保護猫活動をする上での移動手段ということで自家用車を購入するはめになるのですが、それはまた別のお話です。

 

→ アメショーの場合、過度なストレスを受けると、口は半開きでうつろな目になってしまう。また、よだれがダラーっとでているので、廃人のような佇まいになってしまう。気をつけよう。そしてもうちょっと観察するべきだった、すまない。アメショー。

 

ストレスが過度だった場合(黒猫)

もう一匹の家族、黒猫の場合はですね、過度なストレスを受けるとこれまた違った反応を見せました。

 

写真撮るとただの黒い毛の塊になってしまう彼に、少しおしゃれなアクセントをつけてみたくなったのです。「黒猫と言えば赤い首輪かなあ」ということで、予行演習をすることにしました。

確か、ケーキ屋さんのリボンか何かだと思うのですがそれを寝ている黒猫の首に巻き付けて、首輪風に結んでみたのです。黒猫が目を覚まします。

 

「何これ?」

 

と目を見開いて、彼は視界の端にうつるだろうリボンを確認したようでした。そしてその途端、ビーチフラッグでもやっているかのような瞬発力で飛び上がり、突然走り出しました。僕も妻もいきなりのことで、何がなんだかわからず茫然です。

 

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首輪とか絶対イヤ!

 

黒猫は寝室に飛び込んだようでした。ベットの下からバタンバタンと音がします。

「おいおい何やってんだ?」と手を伸ばしても、人間からは届かない位置に潜りこみ、一人で暴れている様子です。

「どうなってんだ?」と思いながらもマットレスを外し、ベットの下から黒猫を取りだそうとしました。この瞬間またまた黒猫は、突然のダッシュで僕たちのもとから走り去ったのです。ベットの下にはボロボロになった赤いリボンが残されていました。

 

どうもですね、彼(黒猫)にとって『首に何かをまかれる』というのは相当なストレスだった模様です。謝ろうにも、しばらく僕たちに近づいてくれなくなりました。

 

→ 黒猫の場合、過度なストレスを受けるとパニックを起こし走り去ってしまう。特に個体的には首に何かをまかれるのを極端に嫌がる為、首輪なんて持ってのほか、諦めてしまおう。

というか、すまなかった、そこまで驚くとは思ってなかったんだよ…

 

撫でられることが過度だった場合(アメショー)

過度なストレスの実例を2例ほど挙げさせていただきましたが、今度はこちら『撫でられること』について、それが過度だった場合の実例です。

ストレスとは真逆の、猫にとっての快適な行為のお話です。

 

アメショーは「オレ、少し人間とは距離置いて生きてるんだよ」的なふるまいも多いのですが、やはり猫ですね。大好物の顎の下・鼻の上あたりをそーっと撫でると、うっとりした表情をしてくれます。

 

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うむ、撫でられるのも悪くない。

 

いっつもボヤっと寝てるか食べてるかの彼、そんな表情をしてくれるのが嬉しくて「ほれほれ」と撫でつづけます。段々と手にかかる彼の体重が重たくなってくるのを感じます。リラックスして体重を預けてくれているのがわかると、こちらのモチベーションも急上昇です。

 

しかしですね、臨界点があるのを忘れてはいけません。

 

理由の想像がつかないのですが、陰極まって陽になるとでも申しましょうか、さっきまでリラックスしてたはずのアメショーに突然スイッチが入るのです。

しかも『噛みつく』という行為のスイッチですからたまったもんじゃありません。うっとりしたアメショーを眺めながら、こちらもどちらかと言えば幸福な気分になっていたところ、いきなりガブリとされるのです。

 

適温の温泉に入って、全身の神経を弛緩していたところに突然冷水を浴びせられるようなものですから最初は驚きました。

この事象、時々発生するわけではなく、毎回です。さすがにこちらも慣れてきました。「そろそろスイッチが入るぞ」というタイミングがわかるようになってくるから不思議です。

 

→ アメショーは過度な『ナデナデ』をすると突然噛みつきます。これくらいがいいかな、という見極めをしっかりしないと、手に怪我を負うでしょう。僕は8割わかるようになりました。残りの2割は相変わらず手に軽傷を負っていますが…

 

撫でられることが過度だった場合(黒猫)

人間にも個体差があるように、猫にも個体差があります。『ナデナデ』が過度だった場合も同様で前述のアメショーと黒猫ではちがった反応を見せます。

 

黒猫は『撫でられる』といった行為がどれだけ続いても人を噛むことはしません。

ある種の制約のように、彼は人間を傷つけないで生きているようにも見えますが、そこが問題だったりします。終わりがありません。つまり彼の「ナデナデされたい欲」は底なしなのです。

 

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もっとだ! もっと撫でてくれ!

ですので本件の趣旨とは若干異なるのですが「過度に撫でると、更に上を要求されてしまう」ことが特徴としてあげられます。

 

どういうことかと言うとですね…

「おい、昨日はもっと撫でてくれただろ。なんで今日はこれで終わりなんだよ!」

こうなります。

 

彼が満足していない場合、僕たち人間の進行方向に突如現れて「バタン」と行き倒れたかのように横になります。腹を見せながらこちらをチラチラと見るのです。

急ぎの用事なども、それは人間の都合であって黒猫には関係ありません。

 

腹を見せている彼を素通りすると、すっと立ち上がり、また進行方向に登場しバタンと倒れる。これを延々と繰り返すのです。

 

ですので、過度なナデナデは黒猫の欲望を刺激しつづけるだけの結果となります。

黒猫の「ねえ、撫でて撫でて」というこの行為と視線に耐えるのはなかなか難しかったりします。心を鬼にするのが8割、黒猫に屈してついつい柔らかな腹に手を伸ばしてしまうのが2割。我が家ではそんな感じです。

 

→ 底なしの撫でられたい欲を持っている猫もおります。どこかで線引きをしないと、猫を撫でる時間はどんどん拡大する一方です。そのうち24時間体制で撫でることが必要になってしまうでしょう。

 

猫にとっての過度・適度

『大吉は凶に還る』なんて言葉もありますが、どれくらいが『やりすぎ』でどれくらいが『不足』なのかの見極めは重要です。

適切を考えないと、アメショーのケースのように手の甲に生傷が絶えない状態となってしまいます。

 

また、これって人間にも十分あてはまることなのかも知れません。ついつい余計なひとことを言って周囲の人間(主に妻)を怒らせることの多い僕としては、最も考慮すべき事案でしょう。

 

適度が大事、わかってはいるんだけどなあ、といつも思います。

相手によっても違いますし、その場その場の環境でも異なります。そしてガブリとされたり、更なる要求の呼び水になっているのをわかりつつ、今日も僕は猫たちを撫でます。

そんな記事ですw

 

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